たまたまNHKの「映像の世紀 バタフライエフェクト」で「ゲッベルス、狂気と熱気の先導者」編を昨晩見た。
ゲッベルスはヒトラーに気に入られ、ドイツの敗北が濃厚となった1943年にナチ宣伝大臣となった。国民を死の淵へと駆り立てる総力戦をマスコミを使って誘導し、それに呼応した100万人以上の民間人が総力戦で命を落とした。
この国民を洗脳する手段として、フェイク(嘘)の情報とそのニュース、陰謀論などを駆使し、ラジオや映画、新聞を通して国民を煽った。
「嘘も3回言えば真実になる」「虐待されるドイツ人を助けるためにポーランド侵攻」「ロシア人が殺害した映像を国民に示し、憎しみを生み出す」などなどだ。当時アメリカ国内でも、「外国人や黒人は敵だ、我々の仕事を奪っている」「不景気は彼らのせいだ」などと言う扇動者も多くいたようだ。
視聴している間にゾッとした。現代もこれとまったく同じ現象だからだ。
いわゆるトランプの国民を分断し、自分たちだけが良ければそれで良い、外国人は全て排除だ、嘘でなくこれは事実だ、などとゲッベルスとまったく同じことを言っている。
昔、歴史の先生が、世界史を学ぶのは、何が原因で、どう言う経過を経て、どのような結果になったかを学ぶのが「歴史」だと言っていた。まさにその通りだ。いつ誰がどこで何をしたか、年号などを「覚える」ことではない。
人間は古代からまさに同じことを繰り返している、歴史をしっかり学べばそれがすぐにわかる。今流行の「再発防止」の言葉は大嫌いだが、それこそ同じ過ちを繰り返さない、新たな解決策を求め、協調しながら実行していく姿勢が必要だとつくづく思う。
