18年ぶりに新しくなったNHKの「新プロジェクトX」を見た。
この回は「携帯電話で写真を撮ってメールで送る」というJフォン(J-PHONE)とSharpの共同開発物語。当時、共に携帯電話産業では遅れをとっていた「弱小タッグ」と揶揄された両社が、何とか挽回をしたいという願いから生まれたものだ。
現状の携帯電話にカメラを入れれば当然大きなものとなってしまい持ち歩きにくい。そこでSharpの変わり者であったA氏が半年間死に物狂いでギリギリに仕上げたカメラ付き携帯電話。
退路を断ち挑んだ開発者の覚悟と、存続の崖っぷちに追い込まれていた事業部で、極限の薄さの携帯電話にカメラを入れ込むという超難題に挑んだ上司と部下の物語である。
2000年にSharpから発売されてからは爆発的な売上で、「写メール」という言葉も流行したのである。
携帯電話にカメラを入れるというアイデア自体は米国に既に存在していたのだが、
これを実現させた点が実に素晴らしい。アマゾンの創始者であるジェフ・ベゾス氏の言葉を借りれば、「破壊的な革命」の一つだと思うし、かなり難しいが本当に挑戦する価値のある課題(challenge)に挑む精神力と体力に、そしてそれを克服しようと努力する人間に感動。